今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
column 臓器抽出のコツ
卵巣
佐久間 亨
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学
pp.284
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101014
- 有料閲覧
- 文献概要
卵巣の位置は子宮の位置によりさまざまに変化するが,通常は子宮底部の外側,外腸骨動静脈の内側に認められることが多い.経腹超音波では,描出の妨げとなる腸管ガスを下部骨盤腔から排除し,膀胱を音響窓として用いるために,検査1時間前に1~1.5lの水分を摂取し,尿を溜めておくことが必要である.
卵巣は年齢,月経周期により描出像が異なる.年齢による変化では思春期前にはまだ小さく,また閉経後には萎縮し同定できないことが多い.思春期以降においては5~10mm大の数個の無エコー域(卵胞)を内包する長径4cm以下の腫瘤として描出される.そのうち排卵卵胞は1日に1~2mmずつ増大し,排卵直前には18~22mm前後にまで達するが,通常は径3cm以下である.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.