増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
脳脊髄
総論
正常解剖
寺田 一志
1
1東邦大学医学部第2放射線医学教室
pp.10-20
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908351
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はじめに
神経放射線診断はすでにMRIが中心であり,X線CTはむしろ骨や石灰化などに対する「特殊検査」である.本稿ではMRIで解剖を解説する.
MRIは個々の症例の症状や疑われる疾患によって,撮像領域や撮像平面,撮像条件(シーケンス)などを特化させて行う検査である.われわれはカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)放射線科神経放射線診断部門が作成したMRIプロトコールを応用している.99年版では頭頸部や脊椎を除いた脳の検査を29項目に分けている.第1項「STANDARD BRAIN」(表1)はいわゆる「スクリーニング」や「ルーチン」と称する検査に相当する.第2項以降が次章で述べられる各論に当たる.本稿では「総論としての正常解剖」としてこの「STANDARD BRAIN」で評価される/すべき構造の説明を行う.使用する図はすべてスクリーニングやルーチンの撮像条件で全脳を撮像したものであり,スライス厚は5〜7mm程度である.
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