臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
腎臓
正常解剖
pp.2252-2254
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217501
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腎は後腹膜腔後部に位置し,内側は,上方では横隔膜脚,下方では腸腰筋によって椎体と境される.腎の前方および後方は,副腎とともに腎筋膜(Gerota's fascia)と呼ばれる強い線維性の筋膜で覆われており,前後の筋膜は腎の外側で癒合して腎を包んでいる8).通常では腎筋膜の内外に豊富な脂肪層が存在するため,正常で腎筋膜の前葉,後葉を描出することができる(図2).
腎筋膜は,腫瘍,炎症などが存在する場合には肥厚するため,同定はさらに容易である.腎腫瘍では,腫瘍の進展度の分類上のメルクマールとして使用される(後述)ため,腎腫瘍の術前検査の場合にはとくに注意を払うべきである.また,腎以外の後腹膜病変(膵炎,その他)でも腎筋膜に肥厚などの変化を認める場合がある.
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