今月の主題 内分泌疾患診療と研究の最前線
甲状腺疾患—治療法の進歩
バセドウ病の放射線治療
日下部 きよ子
1
,
牧 正子
1
1東京女子医科大学放射線科核医学部
pp.326-328
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907907
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ポイント
●バセドウ病の放射性ヨウ素療法は確実な効果の得られる,簡便で,安全性の高い治療手段である(妊産婦は絶対禁忌).しかし,治療に際しては,抗甲状腺剤ほかの甲状腺のヨウ素代謝に影響を及ぼす薬剤や食品を完全に中止し,患者を甲状腺機能亢進状態に誘導する必要がある.
●大きな甲状腺腫を有する再発症状の強い症例では1回のRI治療では治りにくい傾向がある.また正常機能を目標に計画しても,131I治療では晩発性の甲状腺機能低下症の発生頻度が他の治療法に比し高い.
●難治性のバセドウ病では多めの131Iを投与して患者を低下症に誘導し,甲状腺剤で補充する方法が症状の緩解が早く,さらに簡便となる.
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