臨時増刊特集 診断基準とその使い方
V.内分泌・代謝疾患
バセドウ病
飯野 史郎
1
1昭和大藤が丘病院内科
pp.1856-1858
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207531
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甲状腺機能亢進症とは,なんらかの原因により自己の甲状腺機能が亢進し,その結果,過剰に生成・分泌された甲状腺ホルモンによって中毒症状を呈するものと理解される.したがって,亜急性甲状腺炎などのように炎症などの結果,甲状腺組織の崩壊が起こり,過量の甲状腺ホルモンが循環血中に流出したために起こる甲状腺中毒症や,過量の甲状腺ホルモンを服用したたあに起こる甲状腺中毒症は除外される.また,最近では甲状腺機能亢進症が種々の原因によって起こることが明らかになってきたため,従来のように,甲状腺機能亢進症即バセドウ病と考えることは適切さを欠くこととなった.そこで,本稿ではまずバセドウ病の診断基準およびバセドウ・クリーゼの診断基準について述べ,あわせてその使い方とバセドウ病類似疾患との鑑別点についてふれたいと考える.
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