特集 知っておきたい血栓予防療法のエッセンス
血栓形成の病態生理と抗血栓薬 動脈血栓と静脈血栓
大森 司
1
1自治医科大学 医学部生化学講座病態生化学部門
キーワード:
危険因子
,
血栓症
,
線維素溶解
,
静脈血栓症
,
病態生理
Keyword:
Fibrinolysis
,
Venous Thrombosis
,
Thrombosis
,
Risk Factors
pp.409-413
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022155467
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<Headline>1 動脈血栓・静脈血栓は、病理学的には、それぞれが白色血栓・赤色血栓とよばれ、前者は血小板血栓、後者は凝固因子による血栓形成が主体である。2 動脈血栓は動脈硬化巣のプラーク破綻部位に、血中のvon Willebrand因子(VWF)が結合し、速い血流によってVWFが進展すると血小板が付着し、血栓の核となる。3 静脈血栓は血流がうっ滞した部位の内皮細胞が活性化して白血球や血小板が付着し、局所の組織因子発現によって凝固因子カスケードが進行する。4 血小板活性化や凝固反応、これらを抑制する内皮細胞機能や血中の抗凝固因子・線溶因子とのバランスの破綻により血栓が生じる。
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