増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—心エコー法
拡張機能の捉えかた
尾辻 豊
1
,
高崎 州亜
1
,
鄭 忠和
1
1鹿児島大学医学部第一内科
pp.134-139
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907715
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心臓の拡張機能は,心室の圧・容積曲線を描くことにより評価できる1,2).しかし,日常の臨床例において圧・容積曲線を求めることは困難であり,実際には心エコードプラ法を用いた拡張機能の評価が中心となる.
心エコードプラ法を用いた拡張機能の評価には,いろいろな方法があるが,特に心臓内の血流速度波形からの評価が多い.心臓内においても,圧較差(mmHg)=4×[血流速度(m/sec)]2の関係(ベルヌーイの簡易式)が成立している.心臓内血流速度は圧較差を反映し,断面積変化の少ない所では通過血流量をも反映するが3,4),圧そのものとは直接の関係はない.したがって,心臓の拡張機能(左室充満圧・左室弛緩能・左室コンプライアンスなど)を心臓内の相対的な圧較差から推定するという作業が,心エコードプラ法を用いた拡張機能の評価となるので,そこには有用性と限界があることを理解し,各症例の病態評価に役立てる必要がある.
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