今月の主題 循環器薬の使い方 2000
病態に応じた循環器薬の使い方
ACE阻害薬とAII拮抗薬
作用機序・効果・種類・特徴・副作用・禁忌
日和田 邦男
1
1愛媛大学医学部第2内科
pp.1255-1258
発行日 2000年8月10日
Published Date 2000/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907567
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●レニン・アンジオテンシン(RA)系を抑制する薬剤としては,ACE阻害薬とAII拮抗薬がある.
●ACE阻害薬はRA系の純粋な抑制薬とは言えない.同じくAII拮抗薬もタイプ1受容体(AT1)に特異的であって,RA系全体の抑制薬ではない.ACE阻害薬にはブラジキシンの作用増強作用,AII拮抗薬には別経路で産生されたAIIもブロックできる利点がある.
●AII拮抗薬の降圧効果や心不全患者の延命効果はACE阻害薬と同等であり,空咳の副作用がないのでACE阻害薬よりも優れている.
●AII拮抗薬にもACE阻害薬と同等な臓器保護作用が報告されてきている.現在進行中の大規模臨床試験の結果,心血管系疾患の発症と死亡の抑制がACE阻害薬と同等以上であれば,ACE阻害薬はAII拮抗薬に置き換えられるであろう.
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