免疫性神経疾患 新たな治療戦略に向けて
治療の実際 作用機序と適応・効果・副作用 インターフェロン療法
清水 優子
1
1東京女子医科大学 神経内科
キーワード:
月経異常
,
再発
,
MRI
,
頭痛
,
生活の質
,
多発性硬化症
,
皮下注射
,
妊娠合併症
,
発熱
,
臨床試験
,
Interferon-Beta
,
治療成績
,
大脳萎縮
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Fever
,
Headache
,
Menstruation Disturbances
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Injections, Subcutaneous
,
Multiple Sclerosis
,
Pregnancy Complications
,
Quality of Life
,
Recurrence
,
Treatment Outcome
,
Interferon-beta
pp.839-845
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010193475
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多発性硬化症(MS)は中枢神経の自己免疫性脱髄性疾患で、再発寛解を繰り返すうちに、二次進行性へと移行し、後遺症を残すことになり、患者のQOLを著しく低下させる。したがって、MSの治療目的は再発回数を減らし、症状進行を抑え、QOLを維持することにある。免疫調整薬であるinterferon-beta(IFN-β)は世界でもっとも使用されているMSの治療薬で、その治療効果として、(1)再発予防、(2)寛解期間の延長、(3)再発時の症状の軽減、(4)疾患の進行抑制、(5)MRIでの病巣の減少、が証明されている。近年、より早期にIFN-βを開始することにより、臨床的に診断確実なMSへの移行が抑制されており、早期治療の重要性が注目されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010