今月の主題 血栓症と抗血栓薬
血栓症の臨床—治療
インターベンションと抗血栓療法—末梢動脈
笹嶋 唯博
1
,
平田 哲
1
1旭川医科大学第1外科
pp.792-794
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907474
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●経皮経管的血管形成術(PTA)は閉塞性動脈硬化症の大動脈一次分枝(腸骨動脈狭窄,閉塞)および中膜型線維筋性異形成で,主に腎動脈狭窄が適応となる.
●術直後の血管内面は内皮細胞が脱落して,肥厚内膜の膠原線維が露出する.●早期内面はフィブリン膜で被覆され,中間期以降のフィブリン層血流面にはプラスミノーゲン/tPAの薄層が形成され抗血栓性を獲得する.
●中間期の内膜治癒過程は線維筋性細胞の増生による内膜肥厚で,内皮化されない.そのため再狭窄をきたすが,高血流条件では進行が抑制されうる.
●抗血小板療法はチクロピジン,シロスタゾール(およびベラプロスト)などが第一選択となる.可能な限りワルファリンを併用し,トロンボテスト25〜15%またはプロトロビン時間INR 1.5〜3倍に維持する.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.