特集 抗血栓療法の最近の動向
抗血栓療法に伴う落とし穴:抗血栓療法のリスク管理
松下 正
1
1名古屋大学医学部附属病院輸血部教授
キーワード:
抗血栓療法
,
経口抗凝固薬
,
ヘパリン
,
発作性心房細動
Keyword:
抗血栓療法
,
経口抗凝固薬
,
ヘパリン
,
発作性心房細動
pp.53-57
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.05_0053-0057
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「はじめに:抗血栓療法のリスク管理のポイント」抗血小板・抗凝固療法の処方医と処置の主治医の緊密な連絡だけではなく,院内コンセンサスに基づいた取り扱い方の取り決めが必要とされつつある。一般にワルファリンの休薬により血栓性・塞栓性疾患発症のリスクは上昇するので,処置の担当医は抗凝固療法を行っている基礎疾患の情報を入手する必要がある。そのうえで,ワルファリンの場合は基礎疾患により,高リスク疾患と低リスク疾患に分類する。「Ⅰ.症例の紹介」82歳男性。79歳のとき,動悸を主訴に近医を受診したところ,心房細動を指摘され,ワルファリン3mgを処方された。元来生真面目な性格で,納豆禁など指導された食事内容を厳格に守っていたこともあって,INRは1.7~2.2によくコントロールされていた。2ヵ月前よりいったんよくなっていた動悸が再燃したので,再診時に処方医が血液検査を行ったところヘモグロビン8.2g/dL,平均赤血球容積76.2flと小球性貧血を認め,総合病院消化器内科を紹介され,内視鏡検査の結果,胃前庭部の易出血性ポリープと診断。出血性病変であったためワルファリンをただちに中止,1週間後内視鏡的ポリペクトミーのため入院となった,ポリペクトミーに備えて前日より絶飲食となり,終了後ワルファリン3mgが再開された。「KEY WORDS」抗血栓療法,経口抗凝固薬,ヘパリン,発作性心房細動
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