透析患者の薬,どう使いわける?
抗凝固・抗血栓療法:末梢動脈疾患
石岡 邦啓
1
,
日髙 寿美
1
,
小林 修三
1
1湘南鎌倉総合病院腎臓病総合医療センター
キーワード:
下肢末梢動脈疾患(PAD)
,
シロスタゾール
,
セロトニン受容体拮抗薬
,
PGI2誘導体
Keyword:
下肢末梢動脈疾患(PAD)
,
シロスタゾール
,
セロトニン受容体拮抗薬
,
PGI2誘導体
pp.678-683
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002589
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透析患者の下肢末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)の合併頻度は非常に高く,透析導入期で18〜25%程度,維持期で30〜40%程度に認められる.また,心脳血管障害を合併している頻度も高く,PADを有する透析患者での心血管障害合併率は約50%と高頻度である.PADでは動脈系の血栓形成の影響が強いため,抗凝固・抗血栓治療薬を投与することが非常に重要である.PADに対する抗凝固・抗血栓治療薬は,虚血による下肢の症状を軽減し,かつ心血管疾患リスクを減少させることを目標とする.本稿では,PADを合併する透析患者に対する治療薬について,シロスタゾール,セロトニン受容体拮抗薬,プロスタグランジン(PG)I2誘導体を中心に論じる.
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