今月の主題 血栓症と抗血栓薬
血栓症の臨床—診断と進歩
血栓性素因の診断へのアプローチ
川合 陽子
1
1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
pp.744-746
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907461
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●45歳以下の若年者の血栓症,家族性血栓症,稀な部位の血栓症,反復する血栓症,抗凝固療法施行中の血栓症などでは,血栓性素因の検査診断を進めることが重要である.
●頻度の高い血栓性素因は,先天性ではアンチトロンビンⅢ異常症,プロテインc 異常症,プロテインS異常症であり,後天性では抗リン脂質抗体症候群である.
●血管内皮細胞の抗血栓性の破綻が易血栓性をもたらすが,内皮細胞障害の指標は少ない.
●血栓症の治療中,最も適したモニタリング検査を選択し,治療効果を評価することも大切である.
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