図解 病態のメカニズム 膵疾患・6
膵炎修復の機序
新川 淳一
1
,
佐藤 貴也
1
,
田口 進
1
,
三田村 圭二
1
1昭和大学医学部第2内科
pp.1111-1116
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906863
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膵組織を構成する種々の細胞は高度に分化しており,特に膵腺房細胞の再生能は比較的低いと考えられてきた.しかし,ヒトの急性膵炎では炎症を残すことなく機能的にも正常に復する場合があり,これはヒトにおける膵再生を示唆する現象と推定される.実験動物においても,1952年,Fitzgeraldら1)がラットエチオニン膵炎を作製して,組織学的に膵腺房細胞の再生像を認めると報告して以来,エチオニン膵炎を含めた各種成因の異なる膵炎モデルにおける膵再生の報告がなされてきた.本稿では,膵再生の起源,急性膵炎の修復機序,膵炎修復にかかわる膵再生因子,アポトーシスおよび急性膵炎から慢性膵炎への移行(膵線維化)について,膵外分泌細胞を中心に述べる.
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