図解・病態のメカニズム 膵疾患・4
重症急性膵炎のマネジメント
田口 進
1
,
佐々木 勝己
1
,
新川 淳一
1
,
天野 長久
1
1昭和大学医学部第2内科
pp.745-748
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909331
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重症急性膵炎は膵の自己消化を中心とした炎症反応ではあるが,その本態は呼吸不全や腎不全など多臓器不全(MOF:multiple organ failure)の発症,ショックなどの循環動態の異常,DIC合併など全身性疾患としてとらえなければならない(図1).このため重症膵炎症例の治療はこれら合併症を含めた各症状に対応することが要求され,重症急性膵炎症例のマネジメントにはintensiveなcareが必要となる.
年間の発症例数約20,000例といわれる急性膵炎における重症例は約10%と推測されており,そのうち約30%は致命的な経過をとる1).急性膵炎は重症度により合併症の程度は異なり,その病態に合わせた治療が選択され,膵の安静を保つことを中心とした基本的な治療と重症合併症に対応する治療に分けられる.
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