今月の主題 自己免疫性肝疾患のNew Wave
いま,そこにある自己免疫性肝疾患
治療の実際と臨床医の疑問点
肝硬変に進行したAIHをどう治療するか
住野 泰清
1
,
山室 渡
1
1東邦大学医学部第2内科
pp.76-77
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906631
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ポイント
●AIH診断時に組織学的に肝硬変である症例の頻度は,わが国では20%未満である.
●AIHによる肝硬変は,肝硬変と活動性肝炎とが同時に存在することが特徴.非肝硬変例との臨床的な鑑別は容易でないことが多い.
●コルチコステロイド(CS)などの免疫抑制剤が著効し,非肝硬変例との間に治療効果の差はない.
●肝硬変例でも,活動性がある限りCS治療の適応や投与法は非肝硬変例と同様に考える.未治療例の予後は不良なので積極的に治療する.
●CS治療終了後の再燃とCSの副作用には,非肝硬変例以上の注意を要する.
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