今月の主題 自己免疫性肝疾患のNew Wave
いま,そこにある自己免疫性肝疾患
診断の実際と臨床医の疑問点
抗ミトコンドリア抗体陰性のPBC疑診例をどう取り扱うか
北見 啓之
1
,
中嶋 美香子
2
,
清水 秀剛
2
1東京都情報サービス産業健康保険組合健診センター
2順天堂大学医学部消化器内科
pp.44-46
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906621
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●自己免疫性肝疾患であるPBCでは診断上AMAの存在が重要であるが,臨床的,組織学的にはAMA陰性PBC例と陽性PBC例でほとんど差は認められない.
●患者血清中のAMAの存在の有無にかかわりなく,PBCのほとんど全例で抗M2抗体が認められる.
●AMAの抗体力価は,4種類の抗M2抗体のうちの検出された抗体数と有意に関連する.
●AMA陰性PBC例とAMA陰性のPBC疑診例との差は,患者血清中の抗M2抗体の確認の有無の差にすぎず,疑診例は臨床上PBCに準じて治療すべきである.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.