特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
5)自己抗体
(15)抗ミトコンドリア抗体
上村 朝輝
1
,
早川 晃史
1
,
打越 康郎
1
,
吉田 俊明
1
Tomoteru KAMIMURA
1
,
Akihito HAYAKAWA
1
,
Yasuroh UTIKOSHI
1
,
Toshiaki YOSHIDA
1
1新潟大学医学部第3内科
pp.217-219
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900853
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■抗ミトコンドリア抗体とその分類
原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis;PBC)患者血清中に,ヒトおよびラットの腎尿細管細胞,胃壁細胞あるいは甲状腺上皮細胞内のミトコンドリアと反応する抗体が存在することが蛍光抗体法で明らかにされ,抗ミトコンドリア抗体(antimitochondrial antibody;AMA)と命名された1).このようにAMAはPBCに特異的かつ高頻度に認められる自己抗体の一種で,ミトコンドリアの内膜あるいは外膜に存在する抗原に対する抗体である.
AMAにはM1~M9までの9種類の亜型があることが報告されており,これは主に抗原の存在部位がミトコンドリアの内膜か外膜かという点,およびトリプシン処理に対する抗原の感受性の有無,さらに疾患との関連などの点から表34のように分類されている2).抗原の局在部位とトリプシン処理に対する感受性が同じでも,蛍光抗体法による腎尿細管での主たる反応部位が異なる.
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