今月の主題 自己免疫性肝疾患のNew Wave
ようこそ自己免疫性肝疾患へ
肝組織像からみた自己免疫性肝疾患
平松 活志
1
,
原田 憲一
1
,
中沼 安二
1
1金沢大学医学部第2病理
pp.31-35
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906618
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ポイント
●自己免疫性肝疾患は標的組織と病的機序の違いにより,自己免疫性肝炎(AIH),原発性胆汁性肝硬変(PBC),それに原発性硬化性胆管炎(PSC)に分けられる.
●AIHでは肝実質細胞が標的組織であり,肝実質炎,それに続く肝線維化を経て,肝硬変へと進行する.
●PBCでは肝内の小葉間胆管が標的組織であり,T細胞を介した機序でそれらが破壊され,胆汁性肝線維症,肝硬変へと進展する.
●PSCでは肝内外の胆管系が標的組織であり,胆管周囲の線維化と非特異的な炎症が主病像となる.具体的な異常免疫の機序は不明であるが,比較的早期から胆汁うっ滞が出現し,胆汁性肝硬変に移行する.
●これら自己免疫性肝疾患の肝病理組織所見を,大きく門脈域病変,胆管病変,肝実質病変の3つに分け解説する.
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