診断のポイント
自己免疫性肝疾患
荒木 嘉隆
1
1東大第1内科
pp.1235-1238
発行日 1969年11月10日
Published Date 1969/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202863
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自己免疫性肝疾患の概念
自己抗体あるいは自己免疫現象はいろいろな疾患にみられているが,それが病気の原因かあるいは単なる結果にすぎないかは,すべての個々の疾患でそれ程はっきりしているわけではない.このことは肝疾患の場合にもあてはまるのである.
それは,肝障害の結果,単にそれに付随して自己免疫現象がおこっているのではなくて,それによって確実に肝疾患がおこされうるという立証が現在なお不十分なためである.このことは,自己免疫性肝疾患という概念を考えてみたり,またその言葉を使う場合に,一応心にとめておく必要がある.しかし,"自己免疫性プロセスが,肝障害を進展させる原因になっていることを強く疑わせる1群の肝疾患"があることも確かである.
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