けんさ—私の経験
救急外来でのV1-2誘導への着眼
北沢 仁
1
1立川綜合病院循環器内科
pp.457
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906420
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当直の夜,未明2時にDr. Call. 胸痛と呼吸困難を訴える33歳の独身男性が,救急車で搬送された.睡眠中に突然発病し,1時間たっても治まらないという.
救急車内と来院直後の心電図は,洞頻脈(110拍/分)のみで,不整脈やST-T変化はなく,当初自然気胸を疑った.しかし胸部X線で気胸はなく,心拡大と肺うっ血が認められた.また,心エコーでは,左室壁運動低下と僧帽弁のBB' step formationが認められた.血液ガス検査では低酸素血症(PO264mmHg)と高二酸化炭素血症(PCO2 56mmHg)を認め,急性左心不全と診断した.肺うっ血はフロセミド20mg静注のみで翌朝には軽快し,血液ガス検査所見や左室壁運動低下も速やかに改善した.
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