増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
血中薬物濃度
強心薬
廣田 路子
1
,
伊賀 立二
1
1東京大学医学部附属病院薬剤部
pp.437-439
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906412
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ジギタリス製剤は様々な薬物間相互作用があり,血中濃度の変動が起こる.表1,2に,添付文書に記載されている相互作用のメカニズムを記す.
新生児期は腎機能が未発達であることからジゴキシンの消失半減期は35〜70時間であり,その後は腎機能の発達に伴って徐々に短くなり,生後1年では15〜30時間になる.生後1日から1年程度までの小児の分布容積は,成人の1.5〜2倍程度大きい.小児期にはジギトキシンの腎クリアランスは成人と変わらなくなるが,全身クリアランスは成人より高く,ジゴキシンやジギトキシンの投与量は成人よりも高くする必要がある.また,小児期にはジゴキシンの心筋中濃度/血清中濃度比は成人の約2倍である.このように,生後しばらくの間は体内動態が大きく変化するので,血清中濃度モニタリングが必要な時期である.
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