連載 在宅で必要なクスリの知識と服薬のコツ・16
強心薬
藤澤 節子
1
1ひまわり薬局
pp.598-602
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100711
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多剤併用
この4月で介護保険も4年目を迎え,介護報酬の見直しがありました。改定について各事業所がそれぞれの立場で論議をよんでいるところですが,患者・利用者中心のサービスであるべきことに変わりはありません。各サービス事業所が連携をとり,利用者の自立に向けた援助を充実させていく必要があります。薬に関してもチーム連携が必要であると考え,私は4月から週1回介護老人保健施設に研修に行っています。施設では薬剤師が薬をきちんと管理しており,看護師も与薬業務に関わっているので,多剤併用の場合でも服薬を間違えたり,服薬し忘れることはありません。しかし,利用者はいずれ在宅に戻ります。そして,独居や老人2人世帯であったりすると,サービス事業者の手を借りなければ適切に服薬できないといったことも起きています。退所前のサービス担当者会議で,退所後の生活パターンに合わせた服用方法を検討する必要性を感じました。
薬によっては,服薬しすぎるとすぐに中毒域に入ってしまい,治療域(期待する効果の発現する濃度)が非常に狭い薬があります。また,多剤併用によって相互作用が起き,効果が増大してしまう薬もあります。在宅でよく使われている強心薬であるジギタリス製剤もその1つです。このような薬は薬物血中濃度モニタリング(TDM)を行ない,投与計画をたてる必要があります。今回は治療域の狭いジギタリス製剤を中心に,生体の要である心臓の働きを助ける強心薬のお話をします。
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