特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
血中薬物濃度
強心薬
山本 武人
1
,
高田 龍平
1
,
鈴木 洋史
1
1東京大学医学部附属病院薬剤部
pp.299-301
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101808
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
1. 血中薬物濃度測定の臨床的意義
ジギタリス製剤は有効血中濃度域が狭いため,極めて厳密な血中濃度コントロールを必要とする.しかしながら,ジギタリス製剤の体内動態は個体差が大きく,また剤形によりバイオアベイラビリティが異なることが知られている.さらに,表1に示すように多くの薬物と相互作用を起こし,血中濃度,薬剤感受性が変動することが知られている.そのため,TDM(therapeutic drug monitoring)による濃度測定・投与量調整が有効な薬剤である.
特に,小児においては成長とともに体内動態が大きく変化する.例えば,ジゴキシンの半減期は新生児期では35~70時間であるが,生後1年では15~30時間となり,また同時期の小児の体重あたりの分布容積は成人の1.5~2倍程度であることが知られている.そのため,小児期,なかでも新生児期は最もTDMが必要な時期であるといえる.
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