増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
血液ガス・電解質・微量金属
血清銅
友安 茂
1
1昭和大学医学部血液内科
pp.416-417
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906400
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
血清銅は,アルブミン結合銅とセルロプラスミン結合銅の総和である.胃,上部小腸から吸収された銅は,アルブミンと結合して肝臓および各種臓器に運ばれる.肝臓に運搬された銅は貯蔵されるか,セルロプラスミンに合成される.銅の主な排泄経路は胆道であり,胆道が閉塞されると血清銅は増加する.銅結合蛋白であるセルロプラスミンにはferroxidase(鉄酸化触媒酵素)作用があり,銅代謝異常によって鉄代謝異常をきたし貧血を発症することもある.また,セルロプラスミンは急性炎症性蛋白であり,炎症性疾患で血清銅は増加する.
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