増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
LCAT(レシチン-コレステロールアシルトランスフェラーゼ)
杉本 元信
1
1東邦大学医学部第2内科
pp.391
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906393
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)は,血中および組織の脂質代謝に関与し,レシチンの脂肪酸をコレステロールの水酸基に転移させて,リゾレシチンとコレステロールエステルを生成する酵素である.大部分がHDLを基質とするα-LCATであるが,VLDLやLDLを基質とするβ-LCATも知られている.
家族性LCAT欠損症は稀ではあるが,高脂血症患者の一部に存在する.LCATは肝で合成され,半減期が2〜3日と短いため,肝蛋白合成能が低下する重症肝疾患で減少する.一方,脂質合成が亢進する種々の病態で増加する.
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