特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査
6 酵素
3.レシチン:コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(LCAT)
高橋 慶一
1
,
赤沼 安夫
2,3
Keiichi TAKAHASHI
1
,
Yasuo AKANUMA
2,3
1東京大学医学部第三内科
2朝日生命糖尿病研究所
3朝日生命糖尿病研究所付属丸の内病院
pp.1437-1441
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917549
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はじめに
血漿コレステロールはその約3/4がエステル型として存在しているが,コレステロールエステルは血漿リポ蛋白の構造と機能を保つうえに必要であり,また血液を介したコレステロール輸送の担送形として働く.血漿中のコレステロールエステルはほとんどが,血漿中に存在する酵素,レシチン:コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(LCAT)により血中で生成されている2,4).
この反応はレシチン(ホスファチジルコリン)のβ位のアシル基(脂肪酸)をコレステロールの3β—OH基に転移させるもので,その結果,等molのレシチンと非エステル型コレステロールを消費し,同じmol数のコレステロールエステルとリゾレシチンを生成する(図1)1〜3).
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