増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
炎症マーカー
sICAM-1(可溶型細胞間接着分子-1)
日野田 裕治
1
,
高橋 裕樹
2
,
今井 浩三
2
1山口大学医学部臨床検査医学
2札幌医科大学第1内科
pp.242-243
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906328
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ICAM-1(intercellular adhesion molecule-1)は5個の免疫グロブリン様ドメインを有し,免疫グロブリンスーパーファミリーに属する分子量75〜115kDの糖蛋白である.ICAM-1は血管内皮細胞や単球に恒常的に発現されているほか,消化管・肺などの上皮細胞,リンパ球や癌細胞などの各種細胞上にも認められる細胞接着分子の一つであり,その発現は炎症性サイトカィンであるIL-1やTNF-α,IFN-γなどで著明に亢進する.リンパ球上に発現されるLFA-1(lymphocyte function-associated antigen 1)やMac-1をリガンドとして,これら炎症・免疫反応に強く関連する細胞間の接着,および単なる物理的な結合のみならず細胞内への情報伝達にも関与する分子である.
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