増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液検査
凝固/線溶系検査
SFMC(可溶フィブリンモノマー複合体)
末久 悦次
1
,
網野 信行
2
1大阪大学医学部附属病院臨床検査部
2大阪大学医学部臨床検査診断学
pp.324-325
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909847
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検査の目的・意義
生体内での血液凝固反応の亢進は,一連の酵素転換反応によりトロンビンが生成されると,その基質であるフィブリノゲンからフィブリノペプタイドAおよびBが遊離され,フィブリンモノマーが生成される(図1).このフィブリンモノマーは互いに重合し,フィブリンポリマーを形成し,最終的に活性化された凝固第XIII因子による架橋反応により,安定したフィブリン(血栓)を形成する.この重合する前のフィブリンモノマーは,フィブリノゲン分解産物(FDP)の初期分解産物やフィプロネクチンなどと会合し,生体内では可溶性の状態で存在する.この状態のものは可溶性フィブリンモノマー複合体(soluble fibrinmonomercomplex:SFMC)と呼ばれる.
したがって,SFMCを検出することは,生体内で凝固亢進に伴って生じたトロンビンによるフィブリン形成(血栓形成)を意味すると考えられる.
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