増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液検査
凝固/線溶系検査
トロンボテスト,ヘパプラスチンテスト
村上 直己
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部血液検査科
pp.154-155
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906284
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トロンボテスト
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ウシ由来組織トロンボプラスチン,ウシ吸着血漿(II・VII・IX・X因子を欠く)に被検血漿を加えて凝固時間を測定する方法で,ビタミンK依存性凝固因子II・VII・X因子の総合的な凝固能を判定する(IX因子は内因系のためほとんど影響しない).またビタミンK欠乏状態,ワーファリン®服用時には不完全なビタミンK依存性凝固因子(II・VII・IX・X因子)が産生されて,PIVKA(protein induced by vitamin K antagonist)と総称され凝固阻害に働く.トロンボテストはPIVKAの影響をも含めたII・VII・X因子の総合活性を反映する.このため抗凝固薬ワーファリン®治療のモニター検査としてわが国では広く用いられている.
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