増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液検査
凝固/線溶系検査
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)
福武 勝幸
1
,
高橋 陽子
1
,
馬場 百合子
2
1東京医科大学臨床病理学
2東京医科大学中央検査部
pp.150-153
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906283
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
APTTは主に出血傾向の有無を診断するための検査法で,被検血漿に血小板膜の代わりのリン脂質を十分に補い,接触因子を十分活性化させる添加物を加えて,さらにカルシウムイオンを添加して血漿が凝固するまでの時間を測定するものである.この検査は内因性凝固因子群と共通性凝固因子群の複合した反応を測定する方法であり,関連する凝固因子が単独または複合して欠乏すると,凝固するまでの時間が延長する.
一般的には外因性凝固因子と共通性凝固因子群の反応を測定するプロトロンビン時間(PT)とAPTTを組み合わせることにより(図1),血液凝固異常のスクリーニング検査とされている.凝固因子の欠乏原因が先天性疾患である場合は単独の欠乏である場合がほとんどであり,APTTが著明に延長し,PTが基準範囲内の場合は内因性凝固因子のうちのどれかの異常であり,PTが著明に延長し,APTTが基準範囲内の場合は外因性凝固因子の異常であり,両者が著明に延長した場合は共通性凝固因子のうちのどれかの異常であると考える.
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