検査ファイル 項目
ヘパプラスチンテスト
安室 洋子
1
1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部
pp.1192-1193
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203877
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外因性凝固検査法としてはプロトロンビン時間測定(Qick1段法・PT)があり,凝固検査のスクリーニングテストとして用いられている.PT時間に関与するフィブリノーゲン,第Ⅱ,Ⅴ,Ⅶ,Ⅹ因子は主に肝臓で産生されるので,PT時間測定は肝機能検査法の一つとしても重視されている.
1959年Owren1)によりトロンボテスト(TTO)が考案され,出血素因スクリーニングテスト,肝機能検査法として応用することが試みられたが,TTOはクマリン系抗凝固薬投与時に低下する第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子調節に主眼をおいた測定法である.なお,抗凝血薬服用者のTTO値は第Ⅱ,Ⅶ,Ⅹ因子が同じ程度に低下した肝疾患患者のそれよりも延長することがHemkerらによって報告されているが,これは前者の血漿に阻害物質(PIVKA:protein induced by vitamin Kabsence or antagonists)が存在するためであると考えられている.
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