今月の主題 下痢と便秘
下痢の診断的アプローチ
下痢の診断ストラテジー—誰に,いつ,どのような検査をすべきか
勝又 伴栄
1
1北里大学東病院消化器内科
pp.1428-1433
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906165
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●下痢の原因疾患と病態は多種多様であるが,鑑別診断の基本となるのは病歴の聴取である.
●下痢診断のストラテジーとしては,急性下痢と慢性下痢に大別して計画するのが,診療上実用的かつ効率的である.
●急性下痢をきたす主な疾患は,感染性腸炎と薬剤性腸炎であり,初診時の重症度,血便の有無などにより,対処法や検査計画が異なる.
●慢性下痢をきたす主要な疾患としては,過敏性腸症候群と吸収不良を伴う慢性炎症性腸疾患である.便潜血や脂肪便の有無により,画像診断の手順や消化吸収試験を検討する.
●専門医へのコンサルトを考慮した診療も必要である.
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