増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
消化器疾患治療薬
潰瘍性腸疾患治療薬
ペンタサ(日清製粉)
日比 紀文
1
1慶應義塾大学医学部消化器内科
pp.140-141
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905491
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潰瘍性大腸炎およびクローン病の薬物療法としてステロイドやサラゾスルファピリジン(SASP)が主として用いられている.しかし,SASPは,メサラジン(5-ASA)とキャリアであるスルファピリジン(SP)がアゾ結合した構造を有しており,服用後,大腸で腸内細菌のアゾリダクターゼによって5-ASAとSPに分かれる1).SASPの副作用は,SPが主な原因といわれている2).
1977年,Azad Khanらにより5-ASAがSASPの活性本体であることが示された3)が,5-ASAを経口投与すると小腸上部で速やかに吸収され,病変部に有効量が到達しない.そこで,5-ASAをエチルセルロースで被膜した顆粒に,賦形剤を加え錠剤化し,小腸での吸収を抑え,かつ5-ASAの形で小腸および大腸に放出されるように工夫した経口放出調節製剤がペンタサ錠®である.
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