今月の主題 内科医のための痴呆の最新知識
治療困難な痴呆—変性型痴呆性疾患
ピック病,非アルツハイマー前頭葉痴呆
三山 吉夫
1
1宮崎医科大学精神医学
pp.1875-1877
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905312
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ポイント
●ピック病と非アルツハイマー前頭葉痴呆は,ともに前頭葉の萎縮を主病変とする変性型痴呆疾患である.
●多くが初老期に発症し,進行性で人格変化,行動障害(脱抑制行動),注意集中困難,判断力の低下,道徳・倫理観の減弱,知的作業の粗雑化,病識欠如が特徴とされる.●CT,MRIで前頭-側頭葉萎縮とSPECTで前頭葉での血流低下が診断に役立つ.
●非アルツハイマー前頭葉痴呆では早期から,原始反射(強迫握り・吸い付き反射),表情の乏しさ,尿失禁がみられる.
●近縁疾患として,進行性皮質下グリオーシス,運動ニューロン疾患を伴う痴呆,進行性失語などがある.最終診断は病理学的検索による.
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