年間テーマ--診断から治療へ 妊娠維持の異常
感染症と妊娠維持の異常
松田 静治
1,2
Seiji Matsuda
1,2
1順天堂大学産婦人科
2江東病院
pp.455-460
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205191
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妊婦の感染症には性器,尿路の感染をはじめ偶発性感染症など種々のものがあるが,この際母体感染の胎児への影響すなわち流早産,先天異常,先天感染症児との関連を考慮することは重要である(図1)。妊娠維持の異常として流早産,胎児死亡に関与する感染症には各種の急性熱性伝染病,敗血症,尿路感染症などの急性細菌感染症,梅毒,トキソプラスマ症および風疹,インフルエンザ,流行性耳下腺炎,水痘,ヘルペス症などのウイルス感染があるが,なかでも母体感染が胎児に直接影響する胎児感染は今日きわめて重要視されている。
胎児への感染経路は以下に述べるように3種に大別できる。
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