図解・病態のメカニズム—分子レベルからみた神経疾患・9
チャネル病—周期性四肢麻痺
田中 恵子
1
1新潟大学脳研究所神経内科
pp.1017-1021
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905122
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遺伝的に筋細胞の興奮性異常をきたす疾患群は,筋膜のイオンチャネルの異常によることが明らかとなり,それぞれの疾患でチャネル遺伝子の変異が次々と報告されている.その結果,従来血清カリウム値の高低で区別されてきた高あるいは正カリウム性周期性四肢麻痺(periodic paraly-sis;PP)と低カリウム性PPは,それぞれナトリウムチャネル(Na+チャネル)1),カルシウムチャネル(Ca2+チャネル)2,3)の異常によることが明らかになり,周期性四肢麻痺という同じ症候を呈しても全く異なる病態であることが分子レベルで明らかとなった.また,ミオトニア症候群と高カリウム性周期性四肢麻痺は同じカテゴリーに属することが明らかになるなど,ミオトニアを呈する疾患群が分子遺伝学的知見に基づいて再編分類されることになった.
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