今月の主題 心不全を見直す
Introduction
臨床統計値からみた日本人の心不全—有病率,死亡率,原因疾患と頻度など
半田 俊之介
1
,
椎名 豊
1
1東海大学医学部内科学第1
pp.828-832
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905077
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ポイント
●心不全の臨床診断は症候と心ポンプ機能の障害の判定からなる.
●心不全の罹病者は米国では200〜300万人,わが国では50〜100万人と推定される.
●心不全発症率は米国では3〜10/1,000程度で,加齢に比例して増加する.
●原因疾患は米国では虚血性心疾患の頻度が高い.わが国では虚血性心疾患1/3,弁膜疾患1/3,その他1/3程度の比率であるが,米国型の原因疾患分布となる傾向は否めない.
●心不全の生命予後にはばらつきがあるものの,おおむね5年生存率50%程度である.直接死因として心不全自体に加え突然死が重要である.
●心不全の死亡率は,わが国では平成6年度で128.5の数値が得られている.
●心不全の死亡率は,実態が変わらなくとも統計のもととなる死亡診断書の記載法により著しく変化することが明らかである.
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