Drug Information 副作用情報・2
薬剤性ショック(1)
浜 六郎
1
1阪南中央病院内科
pp.609-611
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905028
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早期の適切な診断と処置が肝要
薬剤による死亡原因として,ショックは非常に重要である.それまで(病気はあっても),元気であった人が突然死亡する.そのために,家族は医師の医療に不信をもち,医療訴訟の原因になるケースも多い.重症の薬剤性ショックは分単位の勝負である.発症早期の適切な診断,適切な処置が極めて大切であり,それを誤ると患者の生命にかかわる場合も多い.また,いかにショックの診断と処置が適切であっても,原因となった薬が患者の原疾患の治療に不適切である場合(適応外,用量・用法の間違い,禁忌薬など)は,訴訟になれば敗訴する可能性が大きくなる.しかも,薬剤によるショックは日常の診療でも決して少なくはなく,300床規模の当院のような病院でも年間数件程度経験するほどである.
ショックの詳細な作用機序などについては他にゆずり,本稿では,ともすれば忘れられがちな,しかも実戦的には重要な事項についてその基本を述べる.
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