Drug Information 副作用情報・28
薬剤性ショック(6)—喘息患者に生じたアナフィラキシー・ショック—毎回皮内テストの重要性,薬剤の点滴セット通過時間の問題
浜 六郎
1
1医薬ビジランスセンターJIP
pp.1303-1307
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906906
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例
14歳,男性.3歳頃から気管支喘息があり,9歳時よりA病院に通院治療していた.アレルゲンテストでハウスダスト(2+〜3+),ダニ(3+),ネコ上皮(2+〜3+),イヌ上皮(1+)であった.1987年初回入院以来,時々入院をし,アミノフィリン,ヒドロコルチゾンなどの点滴を受けていた.自宅で強い呼吸困難から意識消失したことが1度あったが,入院中に意識消失するようなことはなかった.2回目の入院時(1988年)からセフォチアム(ハロスポア®)の投与を受けた.8回目の入院時に受けるまで,合計7回にわたってハロスポア®の投与を受けていた.第1回目,2回目,4回目,6回目の投与前と,合計4回にわたって皮内テストを実施し,いずれも陰性であった.
1989年の某休日,外来受診.アレベール®2ml+ベネトリン®0.2mlを吸入.500mlの輸液中にアミノフィリン,アンプル(250mg)を入れて点滴.酸素を2ml/minで吸入し,軽快しないために再度アレベール®2ml+ベネトリン®0.2mlを吸入したが,なお軽快せず,入院となった(15:00).入院時(15:10)起座呼吸あり.38.1℃の発熱あり.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.