今月の主題 肝疾患Q&A
肝疾患の治療
小肝癌の治療法をどう選択するか
春日井 博志
1
,
藤田 真
2
,
佐々木 洋
3
1大阪府立成人病センター内科
2大阪府立成人病センター放射線科
3大阪府立成人病センター外科
pp.529-531
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905011
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ポイント
●2cm以下の小肝癌の治療法には,主に切除術,PEIT,TAEの三者がある.
●切除術は,病巣を完全に除去できて,再発も比較的少ないが,術後合併症のリスクがある.PEITは,簡便かつリスクの低い治療法であり,腫瘍濃染のない症例には特に有効である.TAEは,腫瘍濃染のみられる多発例に有効であるが,他の治療法に比べて予後はやや不良である.
●小肝癌の治療法の選択にあたっては,腫瘍の進行程度および肝予備能などの背景因子を正確に分析したうえで決定すべきである.その場合,切除術を第一選択とし,切除不能例に対してはPEIT,TAEなどの内科的治療が望ましい.
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