今月の主題 抗生物質の使い方
抗生物質投与の原則
外来で静注療法はどこまで可能か
森茂 久
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.2418-2419
発行日 1988年10月10日
Published Date 1988/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222135
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■アメリカにおける外来静注療法
アメリカでは1970年中頃より,主に医療費節約,ベッドの効率的利用といった経済的および社会的必要性より,抗生物質自己静注療法が開始されるようになった1).退院前に自己静注法を指導し,溶解した抗生物質をもち帰り,ヘパリン・ロックした静注ラインより指示通りに自己静注を行う.2〜4日に1度外来を受診させ,静注ナース,薬剤師,感染症の医師らがチームを組み,治療にあたる.またホーム・ナーシングが普及しており,自己管理が行えなくとも,自宅での静注療法が可能である.
日本では最近になってようやくインスリン自己皮下注射が許可された段階であり,抗生物質自己静注は,現時点では制度的に不可能である.今回は日本の実情に合わせた外来における静注療法,つまり連日通院し,外来で抗生物質の静注を行う方法に関して,その適応と可能性について述べたいと思う.
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