増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた
イントロダクション
MRIとCTとのすみわけ
湯浅 祐二
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.51-56
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904759
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わが国においては,X線CT,MRIともに急速に普及しており,特に最近では,両者ともに撮影の高速化を主体とした改良が進み,従来のX線CT,MRIの概念を見直す必要も生じている.
このような現状のなかで,日常臨床において,CTとMRIの選択をどうするべきか,効率的な検査手順はいかにあるべきかということが当然問題となり,あまり適応ではない検査がなされたり,必要な検査がなかなか施行できなかったりということがしばしば起こりえる状況である.多くの疾患について,この手順で診断を進めればよいというコンセンサスがあり,それが臨床上実行できる医療環境であることが望まれるが,実際には,学問的にどちらの情報がより正確かということについても,検討のしかたによって異なる結論が出される場合もあり,また,装置による相違,検索方法による相違もあり,一概に“これはまずCT,これはMRI”などと割り切れるものではないというのが現状であろう.また,現在の医療環境,医療経済的な側面も,実際には影響を与えることもある.
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