今月の主題 臓器感染症へのアプローチ
その他の感染症
最近の結核症の特徴
渡辺 彰
1
1東北大学加齢医学研究所胸部腫瘍内科
pp.103-105
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904339
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ポイント
●結核症は感染者数と死亡者数が本邦で最多の感染症であるが,近年の減少傾向は鈍化し,HIV感染者の増加に伴って再増加の危険性がある.米国ではすでに増加に転じた.
●結核症の発病は,初感染から数十年後の内因性再感染例が多いが,若年者では初感染発病の集団発生例も多い.
●診断は,喀痰の塗抹と培養により確定する.核酸増幅法にはまだ偽陽性が多いので,特に治療終了の判断に用いるのは危険である.
●WHOの推奨するPZA(pyrazinamide)を組み入れた結核治療のガイドラインが日本結核病学会からも提唱されたが,INHとRFPが基本であり,症例によってはEB,SM,PZAのいずれかを併用する.
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