今月の主題 臓器感染症へのアプローチ
中枢神経系感染症
ヘルペス脳炎
藤田 恒夫
1
1日立総合病院神経内科
pp.23-25
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904315
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●本邦で比較的頻度が高く,日常診療上重要な脳炎は単純ヘルペス脳炎である.
●発熱・頭痛に,痙攣・意識障害あるいは軽度でも精神症状・大脳巣症状・不随意運動などが合併する場合,本症を念頭に頭部CT・MRI,髄液検査,ウイルス学的検索を行う必要がある.
●本症では脳組織の出血・壊死傾向が強いため致死率が高く,治癒しても重篤な後遺症が残る可能性がある.
●早期に抗ウイルス薬を使用すれば奏効する可能性があり,確定診断を待たずに直ちに十分な治療を開始する必要がある.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.