特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
VII 神経
4.神経病治療の問題点
ヘルペス脳炎の治療
庄司 紘史
1
1都立府中病院・神経内科
pp.1834-1835
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205127
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ヘルペス脳炎は散発性のウイルス脳炎中頻度がたかく,注目されている.新生児では全身感染の一環としてみられるが,成人例では脳に限定し,側頭葉および眼窩脳周辺が好発部位で,この部に壊死がみられ,神経・グリア細胞にCowdry A型の核内封入体をみとめる.
臨床像は発熱,髄膜刺激症状,せん妄を含む意識障害,痙攣,異常行動,幻視,健忘症状群などが出現する1).本症の致命率は50〜70%とされており,とくに昏睡にいたる意識障害,けいれんの頻発,脳圧亢進症状をみとめる症例の予後は極めて不良である.稀に意識障害が比較的軽く,精神症状を前景とした経過良好な症例も存在する.
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