増刊号 Common Disease 200の治療戦略
運動器疾患
五十肩
田畑 四郎
1
1いわき市立総合磐城共立病院整形外科
pp.572-573
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904211
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疾患概念と病態
本症は50歳前後の年代に生じ,特別な誘因なく,肩関節の痛みと運動制限を伴い,年余で自然治癒する疾患とされている.五十肩の定義を五十肩症候群としてとらえている人は,clinical entityのはっきりした疾患(石灰沈着性腱板炎,腱板不全断裂など)を含めているが,ここで述べるのは狭義の五十肩を意味する.
病態は病期によって異なるが,初期には肩峰下の滑液包炎と腱板の変性,ならびに関節内の腱や滑膜の炎症が主体となる.これらの炎症が,慢性化して晩期には関節包全体が縮小し,特に前内側関節包や腋窩陥凹の縮小が病態と有意に関連する.
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