外科医に必要な整形外科common diseaseの知識・9
五十肩
岡村 健司
1
Kenji OKAMURA
1
1札幌医科大学医学部整形外科
pp.250-252
発行日 2000年2月20日
Published Date 2000/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904040
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はじめに
「五十肩」は「ぎっくり腰」と同様,通俗的に使われている用語である.厳密には40〜50歳代の肩関節痛を主訴とする患者に対する症候群名であり,病態を表した疾患名ではない.また「五十肩」は肩関節周囲炎と同義として使われることが多いが,本来は腱板断裂,インピンジメント症候群,上腕二頭筋長頭筋腱鞘炎などと同様に肩関節周囲炎を構成する有痛性肩関節疾患のひとつであると言える(表).したがって,通常肩の痛みを主訴に来院した患者の最初の病名が肩関節周囲炎であっても,その後の経過や検査の結果によって診断名が腱板断裂やインピンジメント症候群に変更されることも多い.そして最終的に他の疾患が除外され,40〜50歳代の有痛性肩疾患について初めて五十肩と診断される.
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