増刊号 Common Disease 200の治療戦略
腎・尿路疾患
前立腺肥大症
松山 恭輔
1
,
東原 英二
1
1杏林大学医学部泌尿器科
pp.507-508
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904180
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疾患概念と病態
前立腺肥大症は一般的には初老期以降の男性にみられる疾患であり,排尿困難をきたす原因として最も重要なものの一つである.成因は現時点において完全には明らかにされていないが,アンドロゲンに加えてエストロゲン(他にもいくつかのホルモンの関連が示唆されてはいるが)の作用により結節性増殖が起こり,これにさらにアンドロゲンの刺激が加わり,肥大結節が形成増殖されることにより発症すると考えられている.したがって,症状は肥大した前立腺結節による膀胱頸部,前立腺部尿道の圧迫に起因し,その程度により刺激症状から完全尿閉にまで至る多彩な症状をもたらす.しかし,前立腺腺腫の大きさと症状とは必ずしも相関せず,また一般的にいわれている4つの病期の症状とは異なる経過をとることも多々あることは記憶しておくべきである.
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