“ホッ”とspot
PEGをご存じ?
小川 滋彦
1
1石川県済生会金沢病院消化器内科
pp.382
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904128
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駆け出しの消化器内科専門医として,第一線病院で張り切っていた頃の,今思えば恥ずかしい思い出がある(当時は恥ずかしいと思っていなかったことが問題!).その病院は県内でも有数の内科の専門外来制を敷いており,また基幹病院として数多くの患者さんが集まってきていた.その消化器内科はといえば,吐・下血,閉塞性黄疸,急性腹症と次々に運びこまれる活気にあふれた職場であった.
ある日,神経内科から1人の老人が紹介されてきた.紹介状には,「食事が摂れないので貴科的によろしく」とある.脳梗塞で嚥下障害がある.ならば神径内科の問題じゃないか,なんでこの忙しいのにわざわざ消化器内科に!と,返事にはもちろん書かなかったけれども,上部消化管内視鏡だけして,「当科的には異常ありません」と,そそくさと帰してしまった.今,何かの御縁で経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG,ペグと読む)の普及のお手伝いをしている.脳血管障害などのため自発的な食事摂取のできない患者さんに対する経腸栄養の投与経路として,内視鏡医と協力してベッドサイドで15分くらいで胃瘻をつくることができる.
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